大阪?札幌間を結んだかつての人気寝台特急「トワイライトエクスプレス」の伝統と誇りを受け継ぐ寝台特急。「美しい日本をホテルが走る」のコンセプトのもと、最上級の設備を備えた列車が、山陰・山陽地方の豊かな自然の中を走る。
“トワイライト”の伝統を受け継ぐ鮮やかなグリーンのボディー
展望デッキで風を感じながら山陰・山陽地方の絶景をめぐる
かつて大阪~札幌間を日本海沿いルートで運行した寝台特急「トワイライトエクスプレス」は、JR東日本の「北斗星」と並ぶ豪華寝台特急の先駆け。デラックスな個室寝台や食堂車、ロビーカーを備えて好評を博したが、車輌の老朽化などに伴い、2015(平成27)年3月に惜しまれながらも定期運行が終了した。
その伝統を受け継ぐのが「トワイライトエクスプレス瑞風」で、グリーンの車体色やゴールドのエンブレムなどを継承している。「瑞風」とはみずみずしい風のことで、「吉兆を表すめでたい風」の意味も併せ持つ。みずみずしい稲穂が実る「瑞穂の国」である日本に、新しいトワイライトエクスプレスという風が幸せを運ぶ──そんな情景をイメージして命名された。
「美しい日本をホテルが走る」という列車コンセプトのもと、ラウンジカーや展望車、さらには一流シェフ監修の料理が提供される食堂車などを連結。客室は全16室で、どれも充実した設備を誇るが、中でも最上級の「ザ・スイート」は1両1室の特別仕様で、プライベートバルコニーやリビング、寝室などがある。
2017(平成29)年6月に運行スタート。ルートは、山陰・山陽地方の風光明媚なエリアがメインで、日本海や大山、瀬戸内海などが織りなす雄大な車窓が魅力的だ。編成最後部の展望デッキに出れば、風を肌で感じながら列車旅が堪能できるのがうれしい。